6月29日に、市職労主催の勉強会で、石井遼介『心理的安全性のつくりかた-「心理的柔軟性」が困難を乗り越えるチームに変える』を取り上げました。本書において、心理的安全性は次のように説明されています。
組織やチーム全体の成果に向けた、率直な意見、素朴な質問、そして違和感の指摘が、いつでも誰もが気兼ねなく言えること(3)
メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場のこと(23)
つまり、「何もしなくていいから安全」「仲良くしておけばいい」ということではなく、パフォーマンスが向上し、学習が促進されるチームという点が重要になります。
本書をよりよく理解するために、(1)日本のチームの心理的安全性、(2)心理的柔軟なリーダーシップの3つの要素をしっかりとおさえておいた方が良いと思います。
(1)日本のチームの心理的安全性には、①話しやすさ、②助けあい、③挑戦、④新奇歓迎という特徴があります。
①話しやすさ:「何を言っても大丈夫」
「仕事と相手の状況を把握し、多様な視点から状況を判断し、率直な意見とアイデアを募集するために重要」(51)
②助け合い:「困った時はお互い様」
「トラブルに迅速・確実に対処・対応する時や、通常より高いアウトプットを目指す時に重要」(52)
③挑戦:「とりあえずやってみよう」
「組織・チームに活気を与え、時代の変化に合わせて新しいことを模索し、変えるべきことを変えるために重要」(53)
④新奇歓迎:「異能、どんと来い」
「メンバー一人一人がボトムアップに才能を輝かせ、多様な観点から社会・業界の変化を捉えて対応する際に、重要」(55)
そして、(2)心理的柔軟なリーダーシップには次のような3つの要素があります。
①必要な困難に直面し、変えられないものを受け入れる
②大切なことへ向かい、変えられるものに取り組む
③それらを変えられないものと、変えられるものをマインドフルに見分ける
このような心理的柔軟なリーダーシップは、本書でも参照されていますが、ラインホールド・ニーバー「冷静を求める祈り」を想起させますね。
神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。
「きっかけ→行動→みかえり」フレームワークや「みかえり」の4つのタイプの議論をはじめ、仕事をしていく上でとても参考になる話が盛り沢山です。
今後もこのような勉強会・学習会を通じて、学びと交流を深めていきたいと思います!