伊丹市職員労働組合のブログ

伊丹市職員労働組合の活動の記録

魅力ある公務を構築するための取り組み

人事院月報 令和3年11月号』に興味深い記事がありました。慶應義塾大学総合政策学部教授の清水唯一朗さんの「魅力ある公務に進化するために」という記事です。

www.jinji.go.jp

 

この記事では、国家公務員を対象として行われた調査がまとめられた「公務職場の魅力と課題を考える」が取り上げられています。

www.jinji.go.jp

 

本調査は国家公務員を対象にしたものですが、記事の内容は自治体職員である私たちにとっても参考になります。

清水さんは、調査回答率が二割という低い水準に留まっていることに対して、「回答しても実際に環境の改善に繋がらない虚しさがあるのではないか」と指摘しています。つまり、「有効性感覚を持ってこの調査に答えない」ということです。

この指摘は、職場要求の数が少なくなっている状況である、私たち組合にとっても非常に重要です。職場要求の数が少なくなっているのは、職場環境や労働条件に満足しているからではなく、「職場要求しても改善につながらない」という組合員の感覚が背景にある可能性があります。組合から職場を改革していくという姿勢を見せるとともに、その成果を積極的に公表していく必要性があります。

また、「異動における適性・育成の考慮…には不安があるようだ」として、異動の「二年ルール」の問題点を指摘している箇所も、自治体職員にとっても参考になります。清水さんは次のように述べています。

官僚たちの夏』のように、キャリア官僚の名札を並べて異動を考えたアナログの時代ならいざ知らず、現在であればより柔軟で適切な人事運営が可能だろう。この点こそが、民間からかけ離れている部分のように思われてならない。

そして、「公務員が有効性感覚を持てるだけの「武器」となる専門性を養っていかなければならない」とも指摘されています。

これらの問題・課題についても、組合員が不安を抱えず、一人一人の能力が発揮できるような制度・環境を構築できるよう、組合から提言していきたいと思います。

「効率化によって過重労働を解かれた先には、そんなワクワクする未来を描くことができる」、組合も同じ思いで取り組みを進めていきます。