『月刊ガバナンス』の連載の一つ、高嶋直人「公務員の基礎知識」の第4回は「公共を学ぶ」で、現職公務員が「公共」を学ぶ必要性が説明されています。
高嶋さんは、公務員に求められることを次のように述べます。
価値観が多様化し、将来が見通せなくなった今、民主国家における公務員に特に求められるのは、多様な価値観を理解する力を身につけ、他者の多様性を尊重する意識を持つことです。
その理由は、「他者の価値観を広く理解出来る力を公務員が身につけておかないと、少数者や弱者の気持ちを理解出来ず、国民、住民から遊離した行政を行うといったリスクが高くなるから」です。
そこで、多様な価値観を学ぶ手段として、「公共哲学」という学問が取り上げられています。公共哲学では、例えば、「功利主義、リベラリズム、リバタリアニズム」といった言葉の意味と、それらに基づき公共政策を構築した場合の内容について回答できること、また、「カント、ベンサム、ロールズ、ノージック」といった哲学者の主張を知っておくことが求められます。
そして、公務員という職業の性質について、高嶋さんは次のように指摘しています。
自分の信じる正義と公務員として果たすべき業務内容には時に食い違うことがあります。それは、公務員という職業は自分の信じる正義、価値観だけに基づき仕事をすることが許されない職業であることを意味します。
私たち労働組合も、同じ考えを持っており、公共哲学を学ぶ必要性を感じています。公共哲学に関する組合独自の勉強会も開催予定ですので、ぜひご参加ください!