伊丹市職員労働組合のブログ

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森裕亮「アニメと観光と地方自治:アニメ聖地巡礼がもたらすもの」(『月刊 自治研2022.9』③)

静岡自治研の「第2分科会 アニメ!マンガ!コンテンツを活用した地域活性化」では、「アニメを素材として地域が元気になるという現象を理解し、これからの地方自治のあり方を考えるということが目的である」(20)と、森裕亮さんは説明しています。

そして、映画のまちづくりでは「撮影作業から得られる経済利益」(20)が強調される一方、アニメ作品の場合は「放映後に引き起こされる舞台モデルへの観光現象が重要である」(21)と指摘しています。

また、「アニメ作品の舞台モデル訪問は、一種、一般的な観光、ロケ地観光と比べても「超常現象」と言っても過言ではない」(20)と、アニメ聖地巡礼の特殊性を強調し、次のことを第2分科会で掘り下げていくとのことです。まず、①観光現象としての特殊性について知識を共有するため現場で起こっている事実を知る、次に②訪問先の現地側として戦略と行動、そして③地方自治にとっての含意を考究すること、です。

地域活性化」には、「観光客が金を落としてくれる」(21)という経済的な観点だけでは捉えられない「何か」がある、聖地巡礼を通じてこの「何か」を考える分科会になりそうです。