伊丹市職員労働組合のブログ

伊丹市職員労働組合の活動の記録

宮台真司×野田智義『経営リーダーのための社会システム論』

11月28日(火)に、宮台真司×野田智義『経営リーダーのための社会システム論』を用いた学習会を開催しました。

今までの学習会は「心理的安全性」をテーマとして扱ってきましたが、そのなかで「リーダーシップ」の重要性が説かれていました。そこで、「現代社会において必要なリーダーシップとは?」「そもそも現代社会とはどのようなしゃかいであるのか?」ということを考え、議論したいと思い、本書を取り上げました。

この本の中では、「郊外化」「システム世界/生活世界」「マクドナルド化/ディズニーランド化」「感情の越えられない壁」といった様々な概念が出てきます。それ故に、理解することが難しかったという声もありましたが、学習会の中で、自分たちを取り巻く環境を例にしながらお話しすることで、それぞれの概念が示そうとしていることがイメージできるようになり、議論も盛り上がりました。

参加者一人一人も仕事上で多くの悩みを持たれています。学習会を通じて、個人が抱えるこれらの悩みには、生活世界の植民地化や人間関係の損得化といった社会的な背景があることを知ることができました。特に、アリストテレスの問いとイエスの問いから導き出される「『まとも』に生きる人間と『うまく』生きる人間」といったテーマは、参加者一人一人が日々感じているものでした。そして、「周囲の環境がどうあれ、人として「まとも」に生きようとする立派な人間」でありたい、そういう仲間をつくっていきたいという思いが伝わってきました。

一方で、自分たちの周囲には、「この人みたいな人間になりたい」と人々に思わせる力を持つような人も、本書で言うところの「立派な人」も見当たらないという現実を再認識しました。しかし、そのことに絶望するのではなく、今回のような共同での学習会を通じてリーダーシップを育んでいける、小さなところから動き出してくことで雰囲気を変えていける、そのような希望を持つこともできました。

次回の学習会のテーマや日時が決まりましたら、ブログやX(旧Twitter)でお知らせします。伊丹市職員はもちろん、庁外からの参加者もお待ちしております!!